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第16話 翌朝の命令

Author: 八月 猫
last update publish date: 2026-07-27 11:42:52

◆榊原宗吾

翌朝六時四十分。

榊原が総帥室へ入ると、すでに帝人は執務机へ向かっていた。

窓の外では、まだ朝の薄い光が高層ビルの隙間を満たし始めたばかりだ。社員の出勤には早く、広いフロアに響くのは空調の音と、書類をめくる乾いた音だけだった。

「榊原」

「おはようございます、帝人様」

「東関東物流センターの通達案を破棄しろ」

挨拶への返答はなかった。

いつものことなので、榊原も気にしない。

「昨夜、法務と人事が作成したものですが」

「内容は確認した。閉鎖決定と配置転換を同時に通達する構成になっている」

「昨日の会議に基づけば、その内容になります」

「会議後に方針を変えた」

やはり、と榊原は思った。

昨日、役員たちが退室した後、執務室へ残ったのは帝人と小春だけだった。

その後に送られてきた指示は、会議直後のものとは明らかに違っている。

「危険区域の稼働停止は予定どおりだ。だが配置は暫定案とし、個別面談を行った後に確定する」

「承知しました」

「今日の午前中、俺が現地へ行く。責任者と社員代表を集めろ」

「本日の午前には、投資委員会が予定されております」

「午後へ移せ」

「出席
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